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【店頭のお振袖が、お客様に届くまでの工程】をご紹介♪

本日は、店頭に並んでいるお振袖が、

お客様の元に、どのような工程を経て、届くのかを、ご紹介したいと思います!

 

 

これを知って頂くだけで!!着物ってそんなに『手間』がかかって作られているんだ!と、

【着物、本来の価値を再認識】して頂け、

【知らずに着て頂く時よりも、リッチな気持ち】で振袖を着て頂けると思います!

 

 

では、このように並んでいる振袖の中から、お気に入りの振袖を選び、

どのようにして、皆さまのところに届いているのか、順を追ってご紹介致します。

 

 

今回は、わかりやすく、振袖を「購入した場合」でご説明致します。

レンタルや、オーダーレンタルした場合の事も、のちほどご説明させて頂きます!

 

 

では、まず商品を決定したところからスタート!

 

 

①店頭に並んでいる、商品の中から、

こちらのお振袖に、決めたとします。

 

 

多くの方は、こちらの選んだお振袖が、そのまま後日、ご自身の手元にやってきて、

それを着て、成人式に出られると思われる方も、いらっしゃると思いますが、

 

 

実は、陳列されている、お振袖は、こちらのように、裏を見ると、

 

 

【裏地が付いていないのです!!!】

 

 

こちらは、裏地の付いた、別のお振袖(お客様の元に届く状態のもの)ですが、

 

 

白と、赤の物が裏地です!!

白・・・胴裏(どううら)

赤・・・八掛(はっかけ)

 

先ほどの、店頭で選んでいる、振袖には裏地がまだついていないのです!!

 

では、さっきの振袖に、裏地を付けて完成でしょ?と思われている方、

それだけではないのです!!

そこにいたるまでに『何人もの職人さんを経て、様々な加工を行うのです!!!』

 

 

それでは、具体的にお振袖を、選んだ後に、どのような「加工」や「作業」を行うかというと、

 

 

②まずは、解き湯のし作業です!

 

【解き湯のし】とは、先ほどの振袖の形の状態から、

 

 

このような反物の状態に、戻す作業のことです!!!

 

 

(こちらは、見本ですので、同じお振袖では、ございません)

 

では、なぜ!!

このような反物の状態に、わざわざするのかというと、

 

それは、、、

 

『生地を、まっすぐな、綺麗な状態に戻すため』です!!

 

まっすぐな綺麗な状態というのは、

店頭で、振袖を陳列、ディスプレイしていると、

多少ですが「生地に凹凸が、できてしまいます」

その凹凸を、生産時と同じような、まっすぐな状態にするために、職人さんに仕上げて頂きます。

 

その仕上げというのが、こちらの解き湯のし作業です。

 

 

 

上の写真のように、蒸気を当てて、生地をまっすぐに伸ばします!

 

普通に、見るだけではわからないような、本当に小さな生地の凹凸も、

綺麗に伸ばしておくことにより

その後の仕立て上がりに、差が生まれます。

 

 

こういった、細やかなところまで、

昔から気を回し、作業をしていたことを聞くと、

日本人の細やかで、繊細な美意識の高さを感じさせられます。

 

 

そして、生地が、作り立ての時のような、

凹凸のない、綺麗な状態に戻したら、次の作業に、移ります。

 

 

③撥水(はっすい)加工

 

撥水加工とは、振袖などの『絹の商品』に、

汚れを付きにくく、水をはじきやすくする、パールトーン加工を施します。

 

 

上の写真は、パールトーン加工をした商品ですが、

お水が、生地の上を、コロコロと転がって、付きにくくしてくれます!

(水滴の、温度などによっては、完全にはじく事はできません)

 

お振袖のような、絹商品は、非常にデリケートなため、

汚れが付きにくくなる加工を施すと、安心です!!

 

 

このような、撥水加工を施したら、いよいよ、

 

お嬢様のサイズに、ピッタリ合うお振袖を、仕立てていきます。

 

 

④手縫いのオーダー仕立て

 

ここまで、生地をまっすぐに綺麗に伸ばし、撥水加工を施しましたが、

いよいよ最後は、職人さんによる、

『仕立て』の作業で、

 

 

ここが、振袖ができあがる過程の中で、もっとも

職人さんの【手間】と【技術】のいる工程です!!

 

 

山喜では、お振袖をご購入または、オーダーレンタルして頂いた、お客様には、

「ものさし」を使い、センチではなく、

昔ながらの「寸」(すん)の単位で、採寸させて頂き、

 

それを『仕立ての職人さん』に、お伝えします。

 

 

洋服と違い、着物は、ミシンを使わず、

1枚1枚、丁寧に【手縫い】で作って頂きます!!

 

 

この手縫いの作業こそが、海外の人からも称賛を贈られる、

日本の「伝統」と「技術」が詰まった【職人技】なのです!!

 

では、実際にその職人技というのが、どのような物か、少しだけご紹介させて頂くと、

 

 

着物の仕立て方には、大きな特徴があります!!

 

それが・・・【きせ】をかける作業です!

 

きせをかける作業というのは実際、どういうものかというと、

着物とは、こちらの仕立てあがった振袖を、見て頂くと、わかるのですが、

 

 

赤○で囲ってある部分を、拡大して見てみると、

 

 

縫ってある、つぎめの部分に、

縫い目(縫い糸)が『一切、表に出ておりません』!!

 

普段着ている、洋服などを、注意して見て頂くと、

生地と生地のつなぎ目には「ミシンの縫い目」が、表側に、出ているものが多いと思います、

 

 

しかし、着物は昔から『見た目の美しさ』を重視して、

 

上の写真のように、縫い糸が表にでないように【すべてのパーツ】を

縫い目が表に、見えないように、縫っていく『きせをかける』作業がしてあります。

 

 

では、きせとは、どのような作業の事か、

先ほどの、【赤○の裏側】を見てもらうとわかるのですが、

 

 

このように、つなぎ合わせる、左右の生地を内側に、折り込み、

その「折り込んだ部分の生地同士」を、内側で縫い合わせているから、

表側から縫い目が見えないのです!!

 

 

反対方向から、見ても、左右の生地を上に、折り込み、

その折り込み部分を縫っているのが、わかりますね!!

 

上の画像は、わかりやすく、内側に折り込む、生地の長さも、長く、

縫い目も、大きくしてあるのですが、

実際は、内側に、折り込む生地の長さは、【1ミリ、2ミリ】程度で、

縫い目も、すべてミリ単位で縫っています。

 

 

職人さんの右側に、赤○で囲っている物が、

内側に折り込む生地に、折り目を付けていく【コテ】(昔のアイロン)で、

1ミリ、2ミリの長さをキープしながら、コテで折り目を付け、縫っていく作業は、

職人だから、なせる技です。

 

 

このように、着物を、手縫いで仕立てて頂いている、職人さんたちの事を、

『和裁士』さんといい、皆さん、和裁の学校を出られ、免許をお持ちの方や、

和裁士さんの元で、修行された、熟練の方がほとんどです。

 

 

そんな手に技を駆使した、和裁士さんが、何日もかけて、お嬢様のために、

振袖を作り上げていってくれるのです!!

 

 

そしてできあがったお振袖は、見た目の美しさだけでなく、

ミシンなどの機械で作られたものとは違い、柔らかく、大変

『着心地もしなやか』になります。

 

 

まだまだ、和裁士の方の技術力や、日本人の美意識が反映された縫い方など、たくさんございますが、

今回は、割愛させて頂きます。

 

 

ざっとでは、ございますが、以上のように、店頭にある、お振袖は、

このような、「解き湯のし」「撥水加工」「手縫い仕立て」の工程を経て、山喜で、検品後、

お客様のところに届くのです!!

「シルク」の生地を使用して作られ、いくつもの職人さんの手を通り、

オーダーサイズで作られるお振袖は、二十歳のお祝いにふさわしい、大変、優雅なものです!!

 

 

今回こちらの記事を読んで頂き、お振袖とは、成人式の時に着る「ただの着物」ではなく、

日本人の『美意識の高さ』や『技術力』『手間』など、

日本の文化が詰まった伝統品なのだと、歴史を感じて着てもらえたら、嬉しく思います!

 

 

そして最後になってしまいましたが、

レンタルの方、新品のオーダーレンタルの振袖は、何が違うのか?といいますと、

今ご紹介したのと、同じ工程が【いつ行われた】かが、違うだけです!!

 

 

新品のオーダーレンタルですと、自分のサイズで今の工程を行い、

一番最初に着て頂くため、購入の方とまったく同じで、

レンタルの方は「過去」に作った物を、着用するだけで、

しっかりと、職人さん達の工程を通っております!!

 

 

店頭でも、同じようなお話をさせて頂くと、着物や、和の文化に興味を持てた!と言って頂けることが、多いため、

また定期的に発信していけたらと思います。

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