浴衣と着物の違いについて【Q&A】
2021年06月10日
本日は
浴衣と着物の違いについて
お話させて頂きます!
皆様も、この違いについて
一度は疑問に思ったことは、ないでしょうか
今回は、浴衣と着物の違いの説明を
歴史やルーツを交えて解説させて頂きます。
まず
「浴衣と着物の違い」を
ざっくりと説明しますと
浴衣とは
洋服でいう「短パン、半袖」のような
《夏のラフなシーン時に着る》お着物のことです。
そして
お着物とは
洋服でいう「スーツや、ちょっとしたお出掛け着」など
《キチンとした時に着る装いのもの》です。
(*お着物の中にも
ラフなシーンで着る物もありますが今回は
わかりやすく大まかに分けて記載しております)
ざっくりとした違いが
わかったかと思いますが
今回はもっと具体的に
「生地感」や「着方」なども
詳しくご説明いたします
また後半で、ご説明する
「浴衣の歴史」と「ルーツ」を知れば
なぜ生地感や着方が浴衣と着物で
違うのかが、よりわかります!!
「なるほどそういうことだったんだ!」と
思って頂けるとおもいますので
最後までご覧頂ければと思います!
浴衣と着物の違い
まず浴衣と着物の
違いで一番違うのは
「着方」です!
〇浴衣は【1枚で着用する事ができ】
〇着物は【中に長襦袢を着て着用する】
という違いです。
赤枠の襟元に注目をして頂きたいのですが
↓浴衣では↓
こちらのように1枚で着用しており
(中に肌着等は着用)
↓お着物の場合↓
中に長襦袢を着て着用をするため
こちらのように
2枚お着物を着ているように見えます
上記のように
中に長襦袢を着て着用するのが
「着物」で
長襦袢を着ないで
素肌の上からも着用頂けるのが
「浴衣」です!
着用後の『見た目』が違うのも
大きな違いとなります!
では、中に
長襦袢を着る、着ない以外では
何が違うのか
ご説明させて頂きます
浴衣と着物の違い その2
生地の「厚さ」
「透け感」などが違います
浴衣では
こちらのように
裏が透けて見えるような
透け感がでるよう織られており
お着物は
こちらのように
透け感はなく
生地も、浴衣より地厚く作られております
(夏用の正絹着物などは透け感があります)
生地の厚さ、透け感からもわかるように
【着用シーズン】も異なり
《浴衣》・・・夏のみ
《着物》・・・春、秋、冬
(夏用着物の場合、夏場も着用します)
となっております
ではなぜ
夏に着る浴衣は「中に長襦袢を着ないのか」
「浴衣は夏用で薄く作られているのか」について
歴史、ルーツが隠されておりますので
ご説明します
浴衣の起源
浴衣という言葉は、もともと
「湯帷子」(ゆかたびら)
という言葉が崩れて浴衣になっております。
では湯帷子が何なのかをご説明すると
起源は『平安時代』までさかのぼります。
平安時代、貴族の方たちは
蒸し風呂のようなものに、入っていたのですが
その時に、体を隠したり、蒸気で火傷しないように
湯帷子というのを着用して入浴しておりました。
湯帷子の「帷子」というのは
裏地のないお着物の事を意味しており
湯に入る時のお着物ということで
湯帷子を着用し、それが
現在の浴衣のルーツとなっております。
そしてその湯帷子は、長い年月かけて
「庶民の方」にも広がっていき
蒸し風呂ではなく、湯船につかる
庶民の方の習慣に合わせ、湯帷子を
お風呂あがった後の、
水分を吸わせる
「バスローブ」のように使用するようになり
そしてその後、お風呂上がりの
「寝間着」としても使用するようになりました。
そこから、だんだん
夜なら寝間着で、
ちょっと外出て行っても良いよね
といった感覚が根付き
現在の
「お祭り」「花火大会」「夕涼み」など
ラフなシーンに、浴衣は着られるよう進化していきました。
「貴族の方の、蒸し風呂時の着用着」
↓
「庶民の方のバスローブの役割」
↓
「寝間着」
↓
「ちょっとした外出着」
↓
「現在の、浴衣の形」
このように
ルーツをたどるとお風呂あがりに着ていた物なので
浴衣は、男性なら素肌に着たり
女性なら「長襦袢」を着なくても、肌着だけ着て着用頂ける
今の形が定着し
「お着物」は、外出着だから
長襦袢を中に着て、もう一枚着物を着なくてはいけない
という冒頭で説明をしたお話しに繋がってきます。
また、湯上りや寝間着などで使っていたことから
生地も薄く、現在では夏場に着るという
ところにも繋がってきているのでは
ないでしょうか。
いかがでしたでしょうか
お着物に関する
「これ何だろう?」「このルールなんだろう?」
などの、疑問は
だいたいルーツを調べると
『なるほど!』と納得頂けるものばかりです!
お着物はわからないことが多いと言われますが
「少しわかる」と
【とても楽しいです!】
またこういった疑問やルーツを
これからもお伝えできればと思います!
きもの山喜のネットショップでも、今回お話して
夏着物と浴衣商品一部ご覧頂けます。